小田急電鉄の小田急・多摩線を相模原市内へ延長・延伸する計画は、だいぶ前からありましたが、少しずつ現実味をおびて参りました。
現在、東京都心から多摩ニュータウンへのアクセス路線として、新百合ヶ丘から唐木田まで整備されている小田急多摩線。
その線路を延長して、町田市の小山田(仮名・小山田駅)を経由して、JR横浜線の相模原駅まで整備する計画がありました。
その後、相模原駅から更に、JR相模線の上溝駅、そして、田名地区を経由して、愛川町・厚木市方面へ延伸すると言う話も持ち上がっていました。
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そんな中、平成28年、国土交通省の交通政策審議会の答申なて、小田急多摩線の延伸は「東京圏の都市鉄道が目指すべき姿」として、意義のあるプロジェクトのひとつとして位置付けられました。
例えば、羽田空港や成田空港へのアクセス改善、相鉄線の東急東横線の日吉駅やJR貨物船経由での東京都心直通電車などと同様に、整備するべき路線として推薦されたようなものとなりました。
なお、現在の終点・唐木田駅から相模原駅を経由して上溝駅までが、検討対象区間でしたが、問題は線路の工事費を、その後の営業収入で回収できるのか?です。
赤字になってしまえば、その負債を負担するのは、相模原市民になると言う事も十分考えられます。
町田市を越える前後から、相模原市の区間は、ほとんど「トンネル」(地下)になると考えられます。
よって、安易に延伸と申しても、採算性も考えて判断しなくてはなりません。
相模原市と町田市、小田急電鉄などは、有識者も交えて7回に約2年にわたり、議論・検討して参りましたが、相模原市の本村賢太郎市長は2019年5月28日に、小田急多摩線の延伸に関して、唐木田駅(東京都多摩市)からJR横浜線・相模原駅(相模原市中央区)間を「先行整備を目指す」と言う方針を表明しました。
試算によりますと、唐木田-上溝間の概算建設費は約1300億円です。
想定輸送人員にて計算すると、黒字化になるのは40年~42年先と言う事で、国の補助金を活用できる目安で30年を超えることになるとの事です。
なお、上溝までではなく、唐木田駅から相模原駅のでの5.8キロだけに限れば、概算建設費は870億円で、黒字転換にかかる期間は26年に抑えられ、目安の30年を切ります。
もともと、小田急多摩線は、相模原駅までと言う話でもあったのが、上溝、田名と、どんどん話も大きくなったしまった経緯もありましたので、まぁ、最初の計画に戻ったとも言えるでしょう。
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もちろん、小田急だけで工事費を負担するのは困難ですので「上下分離方式」が採用されると存じます。
整備費の33%を国が負担し、33%は地方公共団体(神奈川県、東京都、相模原市、東京都町田市、多摩市)が税金を投入し、残る33%を借入金(借金)と路線を整備します。
借入金に関しては、小田急電鉄の運賃収入より、レール・施設の使用料として返済して行くものです。
さて、相模原駅まで、小田急線は、いつ完成・開通するのか?
橋本駅の地下ではすでに工事が始まっていますが、リニア中央新幹線と同じ2027年の開業を目指すものと推測されます。
正直、ものすごく、遅すぎると感じますが、小田急の延伸は、2030年までずれ込む可能性もあるとの事です。
※リニア新幹線の品川~名古屋間は、静岡県の工事開始遅れにより、2027年開業は難しい状況となっています。
<注釈> その後、2022年6月のJR東海・株主総会で2027年開業が難しいと表明。
なお、上溝駅まで延伸できれば、需要もそれなりにありますし、できればそのほうが良いと感じます。
ただし、ずっと地下に線路を敷く関係上「費用」が掛かるのです。
相模原駅から上溝駅間に430億円もかかり、その費用の回収が難しいと言う事です。
JR横浜線の相模原駅の前後区間を立体交差化(高架線)にする必要があるともされていますので、全体の費用はもっと掛かります。
ここで、無理をすれば、子供たちの世代に、借金の返済を肩代わりさせることにもなりかねません。
恐らく、相模原から上溝の間を片道500円くらいにできれば、採算が見合うかね知れませんが、それだと乗車してくれませんよね。
それでしたら、上溝駅から相模原駅までの路線バスを増発するなどのほうが、現実的だと感じます。
そのため、相模原駅までが現実味をおびていますが、1年でもはやく開通することを望まずにいられません。
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なお、相模原駅を出発する電車は、朝ラッシュ時間帯1時間あたり9本(急行3本、各停6本)、オフピーク時間帯1時間あたり6本(急行3本、各停3本)を想定しています。
運賃は小田急電鉄の運賃体系に50円の加算運賃を設定すると仮定しています。
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