沈む白鳥座を見る道【相模原から見える星空浪漫】

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相模原市の二本松、町屋、相原、にかけて、直線道が残っている。相模原市に高層建築が建たない頃に、312度の先を眺めていた遺跡であると思う。あるいは320度の先を直線道は見るように仕向ける。次のリンクは地図上でこの道を眺めたものだ。

https://www.evernote.com/shard/s33/sh/b5069862-69ac-4751-9620-0e4fb83e9fdb/d3184437224b40a16f0e846b84cf2cba

東原宿交差点のあたりは川が暗渠になって出来た道だ。川は夜に星の光を映して光る。闇夜にまっすぐ伸びた光る川の向きを眺めていた人がいたのだ。

この向きに白鳥座の中心が沈んで行く。312度は低く星が落ちて行く方向であり、320度は地平線の下に沈みきる方向だ。312度から320度まで星が動いて行く時間は、30分ほどだろうか。お祭りのお祈りが始まって、終わるにちょうどいい時間だ。沈む星を祀るのは敗退した星神の鎮魂である。勝者のヤマトの人々が行う祭りなのだ。ここに宇宙の大神、天御中主の星があったと、真鍋大覚は語る。

この視線の先に八王子城がある。落城し燃え上がる八王子城の煙が相模原から見えたのだろう。無血開城した鎌倉の玉縄城と違って、全滅した八王子城には凄惨な伝説が残っている。この日にお祭りをした神社も以前はあったようだ。今の夏祭りは皆土日のイベントになっていて、それは戦国の時代が終わっているから、だろうか。
人々は312度の先に沈む星を眺めていた。その視線の先に戦国の城ができるのは自然なことだ。
この視線をさらに伸ばしていくと、その先は三峰山 (埼玉県秩父市三峰298−1)であり、その手前の霧藻ケ峰1500mに当たる。手前の大岳山は1200m、六ツ石山1400mも鷹ノ巣山1640mも西側だから、霧藻ケ峰は相模原市から見えたかもしれない。
下のリンクの地形図をみれば、三峰神社の灯明が320度の先にあることがわかる。霧藻ケ峰に立って、落ちて行く星を見ている人がいたのだ。それは三峰神社に入って行くように見えただろう。
https://www.evernote.com/shard/s33/sh/43fb2b15-3acc-42d0-ac44-51cd1fad5976/27caaadd3ee745aa4d347d7ff959e39a

山の峰が320度に伸びているのは不思議ではない。各地に残る遺跡だ。福岡県の背振山も、鎌倉市の六国見山も、みなこの視線を山の峰に残している。古墳のように土を盛るのは大事業だけれど、山の尾根の土を削って落とし、320度に整形するのは不可能ではない。長い時間がこの地形に現れている。

三峰神社は狼の護符で有名だ。大神の護符。天の大神宮は鹿島の神である。白鳥座が312度に、三峰神社に沈んで行く時、振り返れば南東にはおおいぬ座のシリウスが輝いている。二匹の犬が狩人オリオンに従って南の空に上るところだ。