相模原市緑区大島に鎮座する日々神社の参道は54度に延びる。
(北を0度、東を90度とした場合)
参道の端の鳥居から見れば、織姫星が神社の上に巡って来る。
縄文時代に北極星であった巨星が日々神社の上で輝く時。
この時、北斗七星は真北の空高く南中し、大地に水を撒く。
南十字星の葉室の星が南中し、はるばると広がる相模川の上に輝く。
この時に天の川は360度全周、四方を取り巻いていた。
「八雲立つ出雲八重垣」である。
その時を待つための直線道が日々神社の参道に今も残っている。
この道は古代天文学の観測装置であると思われる。
同じ風景を奈良県橿原市高殿町にある藤原京跡から見ることができる。
54度の視線の先に三輪山の山頂があり、そこに織姫星が巡ってくる。
その時に、北に北斗七星、南に「十拳の剣」葉室の星が南中する。
出雲八重垣のできる時間だ。
藤原京が造営される前に、ここは藤井ガ原と呼ばれていた。
星を見る乙女らが星を映す井戸を守っていたのだろう。
卑弥呼の時代に日本から見えた南十字星は、
現在相模原市から見ることができない。
四方を高く取り巻く天の川も、現在は見ることはできない。
それ以前に夜空が明るくて、天の川の姿はどこにもない。
時の流れは遥かに過ぎていったけれど、日々神社の参道は星の記憶をとどめている。
こちらのリンク先に日々神社の参道があります。
相模原市の星空を古道の向きや山河の位置から考えます。
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星は空から轟音と共に落ちて来る。山は轟音と共に光る星を吹き出す。
落ちた星は皆冷えて岩になった。石や岩は各地で祀られている。
それはかつての星神の姿である。
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