注目の小保戸遺跡 (相模原の遺跡)

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小保戸遺跡 (こほといせき) 約23000年前

 小生が現在最も注目している遺跡津久井城跡の南側に分布する遺跡で、比較的最近になって圏央道の建設現場から見つかり、2007年2月1日より、かながわ考古学財団による発掘調査が開始されているが、まだ、最終的な調査結果が出ていない為、国指定の史跡などに認定されていない。

 遺跡は相模川の上流部、串川との合流地点付近右岸の河岸段丘(かがんだんきゅう)上に位置して、標高は約132m。現在も調査中だが、中・近世、古代、縄文時代旧石器時代と、幅広い時代の遺構と遺物が確認されている。
 古代で見ると竪穴式住居跡が発見されている。縄文時代で見ると、縄文土器が縄文前期から縄文後期と、縄文時代全域での出土の他、石器(打製石斧、尖頭器、石鏃など)が見つかっている。そして、面白いのが、縄文時代の落とし穴がなんと360箇所以上あったのだ。落とし穴は、イノシシや鹿などの獲物を捕らえるのに使用したのだろうと容易に想像できる。旧石器時代では、関東ローム層(L1H層およびB1層上部~下部)から槍先形尖頭器やナイフ形石器が出土している。

 そして、注目すべきは旧石器時代の「住居状遺構」が4基発見された事である。
 旧石器時代の人々は多く洞穴や岩陰を住みかとして利用していたことが知られているが、小保戸遺跡の住居状遺構は、木材を組み木にして草や皮で覆ったと考えられている。
 最も保存状態が良い1基は、直径約3mの円形跡で円状に礫(河原石)が100個ほど並べられ、円の内側にある中央付近からは小さな炭化物が見つかり、炉と考えられる変色した土も確認された。また、礫(河原石)は焼かれたものもあり、熱した石で調理するなどに用いられた可能性も考えられる。

 

 また、槍先形の石器や小さな石片も多数見つかっており、石器を製作したとも受け止められる。
 まだ人間が定住せずに、移動しながら採集狩猟する生活(キャンプ生活)をしている時代で、多くは洞穴や岩陰を住みかとしていた後期旧石器時代において、短期間滞在するための住居として使われたと考えられる住居状遺構が、相模原市で発見されたのだ。放射性炭素測定年代測定値で約19300年前、ほかの測定法を加味した暦年較正値では約23000年前を示した。
 住居状遺構の外側からは多量の石器も見つかっており、石器の製作が行われていた可能性が高い。

 なお、日本最古の住居跡遺構は「はさみ山遺跡」(藤井寺市)の約22000年前とされている。住居内部から石器類が発見されているものの、竪穴式で深さ30cmと縄文時代の住居特徴に似ている。推測するに、古い石器時代の遺構の上に、たまたま重なるように縄文時代初期になってから住居が作られたのでは?と疑ってしまうのは小生だけであろうか? 付近に当時としては考えられない「墓」と推定される遺構があるのも、本当に旧石器時代?と疑問に拍車を掛ける。
 しかしながら、現状としては小保戸遺跡の住居跡が旧石器時代のものと証明することも困難である。でも、近い将来、日本最古の住居跡(日本最古の建物跡)は相模原市の「小保戸遺跡」に変更される可能性も少なからずあるので、今後の発掘調査の進展が楽しみな遺跡である。
 ちなみに、関東地方で旧石器時代の石器類発見の遺跡は多数あるが、旧石器時代の住居跡(建物跡)と考えられる遺構が発見されているのは、田名向原遺跡と小保戸遺跡の2つくらいで、相模原や神奈川県内だけでなく、関東地方全体においても大変貴重な史跡なのである。

 なお、その後、小保戸遺跡の周辺には、大保戸遺跡、小倉原西遺跡、畑久保西遺跡などが近年、新たに発見され、発掘調査が開始されている。

 日本では北京原人のように、古代人の「骨」がなかなか発見されないが、これには理由があるのだ。
 日本の特徴と言えば地震国。その地震の原因にもなっているプレートのぶつかり合いによる、火山帯が影響している。火山が噴火した際の火山灰は酸性なので、火山灰が降り注ぐたびに土壌が酸化して、骨は溶けやすくなったのである。
 そんな中、沖縄県石垣島の洞窟「白保竿根田原洞くつ」において、大変貴重な発見があった。イノシシの骨などと共に、ヒトの骨9点が発見され、うち2点が約20000年前、日本最古の人骨であることがわかった。新石垣空港建設地内に所在する長大な洞穴だ。洞窟の土はアルカリ性であり、骨が溶けなかったようだ。2010年夏から冬に掛けて行われた追加の発掘調査でも多数の人骨などが発見されているが、縄文時代などの遺物もあることから、時代が複合している遺跡であることには間違いないが、時代がある程度わかる「土器」が出土しない更に深い堆積層からの人骨も新たに見つかっている。今後の分析結果が楽しみである。

 相模原市立博物館に行くと、古代の暮らしの展示があり、学ぶことができます。常設展示は入場無料ですので、是非訪れてみてください。

 > 相模原の歴史カテゴリ  サイトマップ

 旧石器時代・縄文時代関係 参考文献

 相模原市立博物館 「相模原市立博物館 常設展示解説書」
 相模原市立博物館 「必見 津久井読本 -学芸員イチ押し!!-」
 相模原市教育委員会 「国指定史跡 川尻石器時代遺跡 -縄文中・後期の集落跡-」


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