2019年10月12日「台風19号」に関して、神奈川県相模原市内の災害・人的被害のまとめ一覧情報です。
台風19号が12日夜から13日未明にかけて東日本を通過し、広範囲で大雨に見舞われ、土砂崩れや河川の堤防決壊など、大規模な災害をもたらしました。
今後、同じような災害が発生する兆候となった際の参考になるよう、下記では相模原市の人的被害を中心に記録として残しておきます。
牧野 土砂崩れで自宅が倒壊 75歳女性が救出されるも死亡確認
牧野 別の土砂崩れ(300m崩落)の現場で60代の夫婦が死亡 (自衛隊も投入)
串川 車が川に横転し流される 小学生2名含む家族4名死亡
青根 神之川キャンプ場の経営者 1名死亡確認 (道志川で発見)
10月12日(土)
13時30分 避難指示(緊急)相模川付近 (1万5151世帯、計3万5304人)
14時35分~ 相模原市緑区の小原・与瀬・牧野・与瀬本町で停電発生
15時02分 相模原市緑区牧野の土砂崩れで3棟被害
※その後、男性ひとりを無事に救助との報道あり
15時30分 気象庁が大雨特別警報「警戒レベル5」 静岡 神奈川 東京 埼玉 群馬 山梨 長野
※「特別警報」は、「警報」の発表基準をはるかに超える数十年に一度の大災害が起こると予想される場合に発表されるものです。
17時46分 緑区与瀬で崖崩れが発生し救助開始。
18時~21時頃 台風19号が相模原市に最接近してピークに。
19時52分 緑区青根でがけ崩れが発生し救助。
21時45分 相模原市牧野で土砂崩れ、自宅を50~60m流された、60代夫婦が行方不明
お名前は、佐々木睦さん(67)、妻の佐々木定子さん(63)。
大規模な土砂崩れで、住宅が流されて半分ほどが土砂に埋まり、捜索が難航。
下記が土砂崩れ現場。
→翌日、自衛隊派遣になり、陸上自衛隊・座間駐屯地 第4施設群が人命救助活動開始
佐々木睦さんは、かつて東京消防庁の消防職員として勤務していたと言う。
奥様の定子さんは看護師で近くの病院で働いていた。
22時20分 緑区の千木良と小原にて断水、多摩川(二子玉川)が氾濫
串川の軽自動車転落事故
22時35分、相模原市緑区青山の串川に掛かる中村橋付近で「串川に車が転落して下流に流された」と近隣住民が消防に通報。
橋から落ちたのではなく、串川の脇を通っている道路から転落したと言う事になります。
串川沿いの細い道路を軽バンで走行していたところ、上記にある護岸が濁流によって削られて、路肩が崩落し、クルマが川に転落した模様。
要するに、たまたま走行したら、道路が崩れてしまい、川に落ちた形だったようです。
津久井署によると、行方不明になっているのは、相模原市緑区の菊地原誠さん(49歳・地元消防団の副部長)と妻(39歳)、小学4年生の長女、小学2年生の長男とのこと。
親族によると、軽自動車に乗って、男性の母親の自宅に様子を見に行った、帰り(もしくは行き)に中村橋から流された模様。
50人態勢で捜索した結果、濁流に流された下流100m付近にて、夜間に車のバンパー部分だけ発見。
車は白いワゴン車と見られるが、引き続き捜索を行った。
その後、乗車していたのは子供2名を含む4人家族だった模様とわかり、翌日午前8時すぎ、1.5km下流の中州にて、成人女性と女児が心肺停止状態で発見された。(2名行方不明)
10月14日の朝8時頃、串川の下流にて、グチャグチャに破損している自動車を発見し、引き上げるも、親子の姿は不明とのこと。
お亡くなりになられた皆様には謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
ただし、残念ながら、誤った判断の結果とも考えられます。
2度と同じ悲しい事故が発生しないよう、あえて申し上げますが、災害時には不要な外出はしないに尽きます。
避難するのであれば、台風が来ると事前にわかっていた訳ですので、早く避難しておかなくてはなりません。
もし、どうしても、やむを得ず、このような遅い時間に増水している川の近くを通行して、親族の様子を見に行くのでしたら、一人で行く(子供や家族を巻き込まない)と言う対応策が必要だと感じます。
ご遺族の皆様にも、謹んでお悔やみを申し上げます。
10月13日(日)
00時35分、相模原市緑区牧野で「うめき声が聞こえる」と消防に通報。
土砂崩れで倒壊した建物から75歳女性が心肺停止の状態で見つかった。
また、50代の女性が意識がある状態で、下半身が土砂と建物にて埋もれている。
救助活動を行い7時間後に救出し病院に搬送。(意識はあるも重傷)
02時20分、大雨特別警報が解除。
11時15分頃、青根の父親と連絡が付かないと50代の娘さんから津久井署の駐在所に通報。
行方不明の男性は82歳で、青根の神之川キャンプ場の経営者である関戸基法(もとのり)さんで、キャンプ場の高台にある管理棟にて一人暮らしをしている。
関戸基法さんは、青根地域振興協議会の会長。
この男性は12日夜20時頃にキャンプ場の様子を確認しに行くと娘さんに電話していたといい、道路が何箇所も寸断されている中、神奈川県警の警察官が4時間以上歩いてキャンプ場を訪れたところ、敷地内にある重機(ショベルカー)が流され、神之川に倒れて浮かんでいたため「川の中に重機があり、男性がいる可能性がある」と消防に通報した。
川は増水しており、事務所以外のほとんどの場所も水没していたと言う。
県警、消防、陸上自衛隊・座間駐屯地 第4施設群が翌日から70人態勢で本格的な捜索を始めた。
13時40分 相模原市が依頼し、神奈川県は自衛隊に相模原市への災害派遣を要請
10月14日(月)
午前、串川にて家族が乗っていたとみられる車が、グニャグニャの状態で発見され、引き揚げられた。
しかし、父親と長男は車の中から見つからなかった。
その後11時30分頃、約5キロ下流の竹やぶにて、父親とみられる遺体を発見。
発見場所は、圏央道の相模原IC付近と推定されます。
10月15日(火)
15日午前8時ごろ、転落現場から6.9km下流となる、相模川の中州で8歳男児が発見され、4人全員の死亡が確認されました。
午後には、神之川キャンプ場から下流に2キロの道志川にて、うつぶせに倒れている高齢男性が発見され、神之川キャンプ場の経営者と確認されました。
管理棟の防犯カメラには10月12日20時30分頃、管理棟内に流れ込んだ泥を、懸命にかき出す関戸基法さんの姿が映っていたと言う。
神之川キャンプ場は、壊滅的な被害であり、途中の道路も通行止が続くが、長女の高崎幸江さんは、父の遺志を引き継ぐと言う。
10月16日(水)
牧野で夫婦が行方不明の現場に、警察犬3頭も投入され、引き続き捜索中。
今後はスコップなどではなく、重機の投入も視野に。
11月01日(金)
現場までの道路が復旧し、重機を投入しての捜索も、現場の埋もれている箇所には、まだ重機を接近できず。
自衛隊など60名態勢。
11月03日(日)
土砂崩れ現場から、300メートル離れた下流の沢沿いにて、土砂に埋まった軽自動車が発見されたが、2名は依然行方不明。
この自動車は行方不明夫婦のものだが、合計3台所有していたと言う。
11月10日(日)
15時過ぎ、牧野の住宅があった場所から70mほど下にある谷沿いの土砂の中より、女性の遺体が見つかった。
11月12日(火)
142時50分ごろ、牧野の住宅があった場所から70mほど下にある谷沿いの土砂の中より、佐々木睦さんの遺体が発見された。
先日、見つかった奥様とは、約2メートル離れた場所だったと言う。
以上で、相模原市の行方不明者はすべて発見された。
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相模原市の人的被害
死者・行方不明者の数は現時点で下記の通りですが、数字は今後変わる場合があります。
相模原市では緑区にて6名死亡、2名行方不明、重傷1名、軽症2名。
全壊18棟、半壊24棟、一部半壊56棟、床上浸水21棟、床下浸水67棟。
相模原市内で、がけ崩れの箇所は130箇所以上。
日本全国では決壊64河川111カ所で水害が発生し、81名死亡、11人行方不明 300人けが。
相模原市では、災害救助法の適用を決めています。
10月18日、ようやく相模原にもボランティアセンターが開設されました。
教訓
今回の2019年台風19号では、相模原に限らず各地で深刻な被害をもたらし、日本全国でも91名の死者・4名の行方不明者を出しました。
亡くなった方の多くは下記の通りです。
がけ崩れ、河川の氾濫、増水した川に近づいた・・
崖崩れは、避難勧告が出たら、崖の下、崖の上にお住まいの場合、速やかに「避難」していれば無事であった可能性が高いです。
特に山間部にお住いの方は、必須とも言えます。
河川の氾濫に関しても、避難勧告が出ている時点で、避難を開始できていれば、人的被害は無かった可能性が高いです。
自分のところは大丈夫だろうではなく、大丈夫ではないかも?と考えて、避難することの大切さが今回、改めてよくわかりました。
また、避難勧告が出ている場合、増水・激流となっている川には近づかないと言う事を徹底できていれば、川に落ちた、運転中にクルマが水没したと言った、巻き込まれる事例は無かったでしょう。
避難勧告が出ている地域を、クルマなどで移動するのは、絶対に控えたいところです。
しかしながら、中には、避難は困難との判断に至る場合もあるでしょう。
その際には、崖からできる限り離れた部屋に滞在するなど、少しでも危険が軽減されるよう、お願い申し上げたいと存じます。
2019年の台風19号の被災者様など苦しんでいる方に少しでもお役になればと、些少ではありますが、仲間と力を合わせまして、相模原市に下記の通りご寄付させて頂きました。
※ふるさと納税の返礼品なしタイプ
亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。
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