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パソコン改造・自作情報 2006年版 |
下記の情報は筆者が実際に行った作業に関する情報ですが、皆様が同じ作業を行う上で、同様に成功すると保証するものではありません。参考にご紹介するまでであり、ご自身で行う場合は自己責任にてお願い申し上げます。
■マザーボードとCPUだけを交換して節約性能UP (ATX向け)
▼経緯
メインの自作3号機高性能PCの調子が2005年夏くらいからずっと調子が悪く、突然、マウスやキーボードが「動かなくなる」状態。キーボードも反応しないので、シャットダウンすらできなくなり、その都度、電源ボタンを押して再起動し、その度に作業はストップ。打ち込んでいたデータが何度消失したことか・・。
当初は加熱過ぎているのかと、空冷ファンを増やしたり、HDD空冷装置をつけたり、温度センサーをつけりしたのですが、それでも改善されませんでした。
マザーボードかCPU、または電源装置の故障が原因と考えたのですが、画面が映らなくなることはないですし、CPUも通常時は快適に動作していますので、恐らくマザーボードの故障と判断し、BIOSのアップデートなどもしてみたのですが、改善されず、ちょくちょくファイル保存しながら、だましだまし使ってきたのですが、ここにきて1日に数度も動かなくなることが頻繁に発生し、いよいよ我慢できずパソコンの「買い替え」を決断しました。
できれば2007年頃に発売が予想される新しいWindowsビスタが出るまで本当は待ちたかったのですが、PC丸ごと新調すると10万円以上必要な為、予算不足につきマザーボードとCPUだけ買い換える事にしました。
▼当初不安な面
HDDはそのまま使うので、OSの新規購入、再インストールをせずに、新しいマザーボードやCPUを認識させてパソコンを使う事ができるか?
▼改良前
インテル i875P チップセット
Pentium 4 2.6CGHz(FBS800MHz)
メモリ PC3200(DDR400) ディアルチォンネル 1GB (256MB x 4)
グラフィックカード GeForce FX5600 Ultra 128MB
※故障していなければ、あと数年は耐える性能でした。
▼調査
買い替えにあたり、まず最新のCPUを調べました。買い替え時点での最新CPUは、インテル Pentium プロセッサー エクストリーム・エディション
ですが、これは最新すぎてまだ大変高価です。その為、ここ数ヶ月でガクンと価格が落ちてきた インテル Pentium D プロセッサー を使うことにしました。
Pentium D は、これから主流となる プロセシング・コアを 2 個搭載した「デュアルコア」のCPUで、要するに複数の処理を同時に行えるCPUになっています。2007年登場予定の新しいOSになっても動くはずです。
採用したのは インテル Pentium D プロセッサー 930 にしました。3.0GHz ありますので、クロック数では現状より少しUPする形になりますが、デュアルコアは大変魅力です。
このCPUが乗るマザーボードは、インテル 975X Express チップセット が現在最新性能で本当はこれにしたいのですが、この975シリーズはこれまた出たばかりで大変高価です。よって、ここは辛抱してだいぶ安くなり、性能も安定している
インテル 945G Express チップセット を採用することにしました。
インテル 945G Express チップセット は、デュアルチャネル DDR2 メモリー、1066/800MHz システムバス、PCI Express*
x16 グラフィックス・ポート、Serial ATA 3.0Gbps、といった高帯域幅インターフェイスとなり、インテル GMA 950 のグラフィックス・コアが内蔵されており、現在使用のマザボより確実に性能もUPしています。将来1066MHzのCPUに換装することも可能です。
また、確認して注意しながら購入すれば、グラフィックボードが必要ないマザーボードもありますので、その分安く済みます。HDDは最新の Serial
ATA 3.0Gbps に対応しているチップセットですが、HDDは今使用しているのをそのまま使いたかったので、Ultra ATA100 が動作するマザーボードを探しました。
採用したのは ASUS(アスース)の P5LD2-V です。メモリは PC2-5300(DDR2-667)に対応しており、メモリだけでも現在のマザボより1.6倍クロック数UPします。
PC2(DDR2)に使えるメモリがないので、必然的にメモリも最低2本購入することになりますが、DDR1のタイプともそんなに価格差はなくなってきており、これも良しです。
そんなこんなで、CPUとマザーボード、メモリ2本を注文しました。
全部で約48000円しましたが、取り外した故障と思われる部品はジャンク扱いでオークション出品したいと存じていますし、新しいマザーボードについていて不要になるグラフィックカード(GeForce FX5600
Ultra)やサウンドカード、メモリも売れますので、実質は30000円程度の出費に抑えることができると推測しています。
▼取り付け(取付け)
P5LD2-V のマザーボードは本来SATAでの接続が主流なのですが、今回はOSが入っている既存のハードディスクをそのまま使用する節約の為、Ultra
ATA100 のIDEハードディスク(HDD)をマザーボードに接続することになります。
IDEのソケット(HDDや光学ドライブ用)は、青のソケット1つと、赤のソケット2つあります。このマザーボードは最初は「青」のソケットにケーブルの「青」コネクタをつなぎ、2番のコネクタにハードディスク、3番目のコネクタにCD-ROMと繋ぐ必要があることがあとからわかりました。
以前は、ハードディスクとCD-ROM、それぞれ単独のケーブルでプライマリ、セカンダリと繋いでいた為、古いマザーボードのシステムを忘れていて、なかなか認識されず、少し苦労することになってしまいました。
また、今度は1つのケーブルでCD-ROMとHDDを繋ぐことになり、私の既存の配置ではその「間隔」が短く、コードのコネクタが届かず、HDDをCD-ROM近くに移設する必要もでて更に苦労しました。
赤のIDEソケットは、説明書にも書いてあったのですが、ドライバをインストールしないと完全に認識されません。最初は青のソケットから接続して各種ドライバなどをすべてインストールした後、赤のソケットに接続を変更して使っています。
プリンタなど周辺機器類のUSBを繋いで、それぞれも認識させるのは一番最後にしました。
BIOSの設定は、特に変更しなくてもそのまま使えますので、初心者にはうれしい限りです。
電源装置は従来のATX12Vであれば、ATX電源が20ピンのコネクタでも、24ピンへの変換なしで、このP5LD2-Vに接続ができます。ただ最低でも350Wは欲しいところなのではと存じます。
▼起動
Windows XP のOSは予想通り、新しいOSを購入する必要もなく、再度インストールすることもなく、昔のHDを繋いだだけで、新しいマザーボードやCPU、メモリなどを自動的に認識・再構築されて、何もすることなくそのままOSやHDに入っていた各種アプリケーション(ソフト)などもそのまま使えるようになりました。
ただ、最初に3日以内にOSのユーザー登録をするようにと出ましたが、住所・名前などをインターネット上から案内に従い送信するだけで、ID(シリアル番号)などの入力は不要でした。要するに、HDD1個に対して、OSの利用許可の為、HDDが変わらない限りは、そのままOSの使用許諾は続けられるという事になるようです。(憶測ですので、違った場合はごめんなさい。)
今まで使用していたプリンタ、ZIPドライブ、メモリカードモジュールなども最後にUSBを繋いだだけで、そのまま認識され、LANネットワーク上でも以前と変わらず使えるようになりました。
このメリットを知ってしまいますと、新しいPCを購入する際、すべて購入するのではなく、買い換えたいものだけ購入すれば、設備やソフトなどの長く慣れた設定のまま続けられると言う事になります。
本当はHDDをSATAにすると一番良いですが、それはまた時間と資金に余裕が出てから行いたいと存じています。
▼結論
Windows XP の場合、マザーボードだけ交換だけでも自動的にパソコンが認識して使える。パソコン全体を交換しなくても良い=節約になる。
▼初心者の方への注意
もし、筆者と同じようにマザーボード交換を計画する場合は、今お使いのパソコンと同じフォームファクタ(規格・サイズ)のマザーボードを選ぶことが一番最初に必要なことです。
マザーボードの標準規格は主に下記の2種類があります
ATX M-ATX(Micro ATX)
市販されている小型のデスクトップパソコンやノートパソコンによっては、小型化するため特殊な規格のマザーボードを使用している事が多く、マザーボードを高性能なものに交換する事はできないタイプがありますので、ご注意下さい。事実上ノートパソコンは小型化の為、メーカー自社開発など特殊な場合が多い為、無理と思ったほうが無難です。その点、大きな箱型のデスクトップパソコンは拡張性が高く、マザーボード交換も比較的容易です。
※市販パソコンは改造するとメーカー保証などは受けられなくなります。
2番目に重要なのはOSです。Windows XP の最新版がHDDに入っていれば、問題はないと存じます。XP以外だと新しいマザーボードなどの認識が手動などになり大変苦労する可能性があります。
3番目に重要なのは、今まで使用していた機器類が新しいマザーボードに対応しているかどうかです。対応していない場合は、新しいマザーボードに接続できるものを新たに購入する必要があります。
確認が必要なのは「電源装置(特に電力W数)」「電源装置のコネクタ」「CPU」「メモリ」「PCケース」が主な点になります。
<後日談>
オークションに出品した古い部品類は、合計約36000円で売れました。
オークション会社に手数料取られても、約34000円回収できましたので、実質1万円でかなり性能UPができたことになります。
これを考えると、映像機器関係やパソコン本体は、少し高くても性能が良いもの的確に判断し購入すれば、買い替えの際に古いものはオークションで比較的高値で売却できる
= 元手は掛かるけれども、将来買い換える際の負担が軽くて済むと言う事が改めまして実証されました。やる価値はありますね。
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